こんにちは。東京・神奈川で眼瞼下垂や下眼瞼(目の下のクマ)の治療を専門に行っている、形成外科・美容外科・眼形成の奥村仁です。
まぶたが下がって見えにくい、額にシワが増えた、肩こりや頭痛に悩んでいる…もしかするとそれは眼瞼下垂症かもしれません。
本日は、眼瞼下垂症が起こる根本的な原因と、適切な治療法を見つけるための専門的な診断・検査について詳しくご説明します。眼瞼下垂は単なる老化現象だけでなく、時には重篤な病気のサインである可能性もあります。自己判断せずに、一度専門のクリニックにご相談ください。
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💡眼瞼下垂が起こる仕組みと主な原因
眼瞼下垂は、上まぶたを上げる働きを担う筋肉(上眼瞼挙筋、ミュラー筋)や、それらに動きを伝える腱(挙筋腱膜)、もしくはこれらの筋肉に指令を送る神経(動眼神経、交感神経)のどこかに問題が生じることで引き起こされます。
その原因は一つではなく、多岐にわたります。
【眼瞼下垂の主な原因】
| 分類 | 具体的な原因 | 補足・解説 |
| 最も多い原因(腱膜性) | 1. 加齢による組織の変化 | 上眼瞼挙筋の腱(腱膜)が伸びたり、薄くなったり、瞼板から外れたりすること。患者様の多くがこれに該当します。 |
| 2. コンタクトレンズの長期使用 | 特にハードコンタクトレンズの装着・着脱時の刺激により、挙筋腱膜に負担がかかることで発症します。(コンタクトレンズ性眼瞼下垂) | |
| 薬剤の影響 | 3. 緑内障のプロスタグランジン関連点眼薬 | 副作用として挙筋腱膜に影響を与える可能性があります。 |
| 神経・筋肉の病気 | 4. 重症筋無力症 | 筋肉の疲れやすさ(日内変動)が特徴的な自己免疫疾患。夕方になると症状が悪化しやすいです。 |
| 5. 神経麻痺 | 動眼神経麻痺や交感神経麻痺(ホルネル症候群)などにより、筋肉への指令が伝わらなくなる状態。 | |
| その他の原因 | 6. 片側性甲状腺眼症(眼球突出) | 一方の目の突出により、反対の目に代償性の眼瞼下垂(ヘリング現象)が生じる場合があります。 |
| 7. まぶたや眼球の外傷・手術 | 過去の外傷や白内障などの手術歴が原因となる場合があります。 | |
| 8. 腫瘍 | まぶたやその周囲にできた腫瘍が、物理的にまぶたを押し下げる場合。 | |
| 9. 先天性眼瞼下垂 | 生まれつき上眼瞼挙筋の発育が不十分(低形成)であることによるもの。 |
眼瞼下垂の原因を正確に診断することは、適切な治療法を決定し、下垂に伴う頭痛や肩こりなどの症状を予防・改善するために非常に重要です。
🔎専門医が行う眼瞼下垂の原因を特定するための徹底的な診察・検査
当院では、単に手術を行うだけでなく、下垂の原因が本当にまぶたにあるのか、あるいは全身性の病気や神経の異常によるものなのかを鑑別するため、専門的な診察と検査を入念に行います。
1. 丁寧な問診
- 先天性か後天性か
- ハードコンタクトレンズの使用歴
- 緑内障点眼薬の使用歴
- 重症筋無力症を疑わせる症状(著明な日内変動など)
- 眼瞼や眼球の外傷・手術歴
2. 視診・触診
- 腫瘍の有無
- 外傷の痕跡
- 眼球突出の有無(片側性甲状腺眼症などを疑う場合)
- まぶたの開き具合や左右差
3. 眼球運動・瞳孔の評価
動眼神経はまぶたを上げる筋肉だけでなく、眼球を動かす筋肉(外眼筋)や瞳孔の動きも支配しています。これらの評価は、神経麻痺を見つけるために非常に重要です。
- 眼球運動の異常: 動眼神経麻痺では、眼球が内側や上下に動きにくくなることがあります。
- 瞳孔の異常:
- 動脈瘤などの圧迫による動眼神経麻痺では、瞳孔が大きくなる(散瞳)ことがあります。
- ホルネル症候群(交感神経麻痺)では、瞳孔が小さくなる(縮瞳)症状が見られます。
4. 特殊な診断テスト
| 検査名 | 目的 | 原理 |
| アイオピジン点眼テスト | ホルネル症候群(交感神経麻痺)の診断補助 | 交感神経障害により薬剤の感受性が高まったミュラー筋が、点眼薬(アプラクロニジン塩酸塩)の作用で収縮し、まぶたの開きが改善するかを評価します。 |
| アイスパックテスト | 重症筋無力症の診断補助 | 重症筋無力症では、筋肉を冷やすことで神経筋接合部の伝達が一時的に改善し、まぶたの開きが良くなるかを評価します。 |
5. 血液検査
| 検査項目 | 疑われる疾患 | 補足 |
| 抗アセチルコリンレセプター抗体 | 重症筋無力症 | 眼筋型では陽性率が低い場合もあります。 |
| 甲状腺機能検査(FT3, FT4, TSH) | 甲状腺機能亢進症・低下症 | 甲状腺機能異常は、眼球突出や眼筋麻痺を引き起こし、間接的または直接的に眼瞼下垂に関わることがあります。 |
これらの専門的な検査を通じて、**「なぜあなたのまぶたが下がっているのか」**という原因を明確にし、最適な治療計画をご提案いたします。
🌟まとめ:眼瞼下垂は専門医にご相談を
眼瞼下垂の治療は、単に見た目の改善だけでなく、視野の確保や肩こり・頭痛の軽減といった機能的な側面からも重要です。
自己判断せず、「目が開きにくい」「眠そうに見える」と感じたら、まずは眼瞼下垂の診断・治療に精通した専門医にご相談ください。加齢性の下垂であれば手術による改善が可能ですが、神経性や筋疾患が原因の場合はまず基礎疾患の治療が必要です。
東京・神奈川で眼瞼下垂の専門治療をご希望の方へ
当院では、形成外科専門医による眼瞼下垂の精密診断と治療を行っています。
手術はすべて局所麻酔・日帰りで行い、自然な仕上がりを重視しています。
金曜日は東京日帰り手術クリニックで勤務
土曜日はコスメディカルクリニック シンシア銀座院で勤務
