(症例)①経皮眼窩内脂肪移動術(ハムラ法)②経皮眼窩内脂肪切除+細断眼窩脂肪注入③経皮眼窩内脂肪切除+眼窩脂肪移植(2025年3月22日改訂版)

東京(有楽町)の東京日帰り手術クリニックで金曜日に下まぶたのたるみ,クマを専門に治療しています形成外科・美容外科・眼形成外科の奥村仁です.

今回は①経皮眼窩内脂肪移動術(ハムラ法)②経皮眼窩内脂肪切除+細断眼窩脂肪注入③経皮眼窩内脂肪切除+眼窩脂肪移植についてお話しします.

(1)眼窩内脂肪とは?
(2)何故眼窩内脂肪が出てくるのか?
(3)どの様な人に適応されるのか?については,↓の記事のリンクをご参考にして下さい.

目次

  1. 代表症例
  2. 手術適応
  3. 手術方法
  4. 術後ケア
  5. 術後経過
  6. 合併症
  7. 値段

代表症例

症例写真の公開には,様々な制約があり,プライバシーの観点から目隠しをしているため,術後の印象がわかりづらいと思います.当院ではモニター制度などを利用して広告も兼ねて多数の写真を並べてはおりません.受診して頂いた方には,色々なタイプの症例写真を供覧して,手術適応,方法,リスク等を細かくお伝えして,納得してもらってから手術を受けて頂きます.

手術適応

下まぶたの突出・頬の陥凹が見られる症例の中で,

下まぶたの突出>頬の陥凹
  突出眼窩脂肪が頬部陥凹を改善するのに十分な量がある

⑵ 頬部陥凹部位に眼窩脂肪が到達するか?
  ①陥凹部位が眼窩下縁から離れていない場合
    眼窩脂肪間の血管を温存して血流を保ったままの眼窩脂肪を中顔面に移動します.
  ②陥凹部位が眼窩下縁から離れている場合
    眼窩脂肪を切除後,その眼窩脂肪を裁断して顔面に注入するか,眼窩脂肪をそのまま中顔面に移植します.

皮膚の余剰がある人に皮膚を切除する事が可能な本術式を適応します. 

手術方法

麻酔

点眼麻酔+局所麻酔

切開

睫毛下切開〜外嘴より外側約1cm

余剰皮膚を切開線の頬側で適量切除します.

手術内容

眼窩内脂肪を突出の程度に合わせて血管を残したまま(脂肪の血流を保ったまま)適量引きだし,引き出した脂肪弁が頬の陥凹部位に届くかどうか確認します.

⑴頬の陥凹部に届く場合
  頬の陥凹部にある靭帯という組織の一部を骨から外して,脂肪弁を骨の上に固定します.外した靭帯は眼窩脂肪弁を介して骨に再固定します.

⑵頬の陥凹部に届かない場合
  眼窩外に出る眼窩脂肪は切除し,①その脂肪を細かくして中顔面の陥凹部に脂肪注入するか,②その脂肪の塊をそのまま陥凹部に移植します.

頬部の陥凹の原因は(1)下垂と(2)骨・軟部組織の萎縮です.

下垂を改善する為に中顔面のフェイスリフトをすれば,残った加齢による骨・軟部組織の萎縮を眼窩内脂肪で補充すればいいので,脂肪量が少ない症例でも,適応範囲を広げる事ができます.

最後に眼輪筋を外側で骨膜に固定する事により,眼窩脂肪の突出を前方から抑えられます.(眼輪筋自体が加齢性に萎縮していると,効果が十分ではありません.)

手術時間

両眼で約120分

術後ケア

術後処置

抗生剤内服3日
抗生剤眼軟膏塗布1週間
抗生剤点眼薬点眼1週間
瞼に3日間テーピング

術後生活上の注意

✖血流が良くなる行為(入浴,サウナ,運動,飲酒)は1週間止めてください.
コンタクト1週間使わないで下さい.
傷周辺の化粧は傷が強くなる3週間までは止めて頂きます.傷以外の部分の化粧は翌日より可能です.

○術後3日間は出来るだけ座位で瞼を保冷剤・アイスノン・氷水を入れた袋等で冷やすようにすると腫れが強く出にくいです.
洗顔・シャワーはテーピングが剥がれないようにして術翌日より可能です.術後3日目からはテーピングを外して洗顔可能になります.

術後診察

術後1週間(抜糸)、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月

術後経過

⑴腫れ(腫脹)

術後3日間は,出来るだけ座位で患部を保冷剤,アイスノン,氷水の入った袋などで冷やす事により,腫れを抑えられます.術後1〜2日目がピークで,徐々に引き,術後1〜2週間程度で強い腫れは引きます.皮膚だけでなく,眼球結膜浮腫が1〜2週間でる事もあります.


⑵内出血(皮内・皮下出血)

内出血は範囲・量により変わりますが,回復するまで,1〜2週間を要します.術後3日は目をあまり使わず,血流が良くなるようなこと(入浴,運動,飲酒など)を避けていただきます.


⑶眼の症状

がゴロゴロしたり,目ヤニや涙が多くなる事が1ヶ月程度でる場合があります.症状に合わせて点眼薬を処方致します.


⑷傷の色(赤み)
傷の赤みは,術後1ヶ月位をピークに徐々に引いていき,術後6ヶ月位かけて白くなっていきます.


⑸硬結

治る過程で,傷や脂肪を移動・移植・注入した部位は1〜2ヶ月固くなった後に,3〜6ヶ月かけて柔らかくなって馴染んでいきます.固い時期は,瞼を触ったり,目を動かした時に違和感がありますが,柔らかくなるにつれて,気にならなくなります.

合併症

術後出血・血腫

血液が皮膚の下にたまって盛り上がることを血腫(けっしゅ)といいます.術後出血・血腫の予防には,内出血の予防と同様に特に術後3日間瞼を動かさずに,圧迫しておき,血流が良くなるようなこと(入浴,運動,飲酒など)を避けていただきます.

⑵感染

感染の予防に,洗顔する事で傷を洗浄して清潔に保っていただき,抗生剤眼軟膏を塗布し,抗生物質を内服して頂きます.

⑶眼瞼外反

皮膚を取りすぎたり,眼窩隔膜を引っ張りすぎたりすると,眼瞼外反する事があります.特に,術前から加齢性に下まぶたの水平方向の張りが少ない人は,術後2〜3ヶ月一時的に眼瞼外反する事があるので,水平方向に組織を短縮し予防する事があります.

⑷リスク

眼窩内脂肪切除・移動量により突出の残存・陥凹がでるリスクがあります.
眼窩内脂肪の量によっては頬の陥凹が十分に改善しないことがあります.その時は二期的に脂肪を注入いたします.

値段(東京日帰り手術クリニック)

両眼27万5000円(片眼のみは16万5000円)(税込)

○局所麻酔料金・術後内服・外用薬処方代を含みます.

○術前・術後(術直後,術後1ヶ月後,術後6ヶ月後)の目元の写真(上眼瞼のモザイクあり)はホームページ・ブログ・インスタ・学会・院内患者説明用の掲載にご協力頂いております.

最後に

下まぶたのたるみ・クマ治療をお考えの方は、こちらからお問い合わせください。

当サイトは形成外科医 奥村仁のポータルサイトであり、クリニック名ではありません。

Instagramでの告知やLineでのカウンセリングを行っている他医師とは無関係です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人