下まぶたの老化(2024年11月3日改訂版)

東京(有楽町)の東京日帰り手術クリニックで金曜日に下まぶたのたるみ,クマ治療を専門に行っております形成外科・美容外科・眼形成外科の奥村仁です.

今回は,下まぶたの加齢性の変化についてお話しします.

上まぶたの老化は,隣接する眉毛~額と密接な関係がありますが,下まぶたの加齢による変化は,隣接する頬部と密接な関係があります.

下眼瞼〜頬部を中顔面として一緒に治療する必要があります.

目次

  • 下まぶた〜頬の加齢による症状
  • 原因
  • 目の下のクマ・たるみの手術
  • 9つの手術方法
  • 9つの手術方法のどれを選ぶか?

下まぶた〜頬の加齢による症状

見た目の変化としては,

頬が重力で下がったり、組織が萎縮すると、下まぶたと頬の間の溝(②瞼頬溝(けんきょうこう))がより深くなり,いわゆる黒クマが目立ってきます.

下まぶたが袋状にでてくると(③目袋と言います)さらに黒クマを目立たせます.

目袋は、若い人のまぶたの縁にそって見られる④涙袋とは違います.逆に涙袋は目立たなくなります.

⑤その他に目尻を中心に細かい皺が出来ます.

原因

それぞれの症状は何故起きるのでしょうか?

頬部の下垂の原因

頬部の下垂は靭帯(骨から伸びて皮膚や皮下組織を支える線維性組織)が加齢により弱くなり,支えられなくなる事が原因です.

深い瞼頬溝の原因

靭帯が弱くなることにに加えて、骨・眼輪筋・皮下脂肪・皮膚加齢性に萎縮してボリュームが減るので,深い溝が出来ます.

目袋が目立つ原因

目袋として見える眼窩内脂肪は,眼窩という眼球をいれている骨の凹みを満たしております.

①眼球を支える靭帯が,加齢により弛むと眼球の位置が下がります.
②眼窩内脂肪が前方へ押しだされます.
③眼窩内脂肪を支える眼窩隔膜や,眼輪筋(まぶたに輪状にある閉じる筋肉)は加齢により薄くなり抑える力が弱くなり,
さらに眼窩内脂肪は前方へ突出してきます.

涙袋が目立たなくなる原因

涙袋は眼輪筋によってできる力こぶですが,加齢により萎縮して弱くなったり,眼窩内脂肪が出過ぎていると中に押し込めないので,目立たなくなります.

皮膚の皺の原因

皮膚は加齢により表皮,真皮が薄くなり,真皮結合組織の膠原繊維と弾力線維の収縮力・復元力が低下し,繰り返す表情による動きにより皺が出来ます.

目の下のクマ・たるみの治療

治療は,別の項で詳細を書きますが,概要としては,下眼瞼には,前に眼窩内脂肪が出ようとする力を減らすために脂肪を減量したり,前から後ろに押す力を強めるために,眼窩隔膜や眼輪筋に張りをもたせたりします.

には,垂れ下がった組織を持ち上げたり(ミッドフェイスリフト),萎縮した組織を足します(脂肪注入・脂肪移植・脂肪移動).

9つの手術方法

患者さんの症状に合わせて,上記操作を組み合わせて治療を計画するので,当院では下記の9つの手術方法から最適なプランを提案致します.

❶皮膚切除

❷皮膚切除+脂肪注入

❸経皮脱脂

❹経皮脱脂+脂肪注入

❺経皮脱脂+眼窩脂肪を用いた頬部治療※

❻経結膜脱脂

❼経結膜脱脂+脂肪注入

❽経結膜脱脂+眼窩脂肪を用いた頬部治療※

❾脂肪注入

※頬部処置は,下記の3つのいずれかを術中に判断して行います.

①眼窩脂肪を眼窩内から頬部に移動(ハムラ法

②切除眼窩脂肪を移植(遊離脂肪移植)

③切除眼窩脂肪を細断して注入(脂肪注入)

9つの手術方法のどれを選ぶか?

下まぶたのたるみ,黒クマに対する治療方法の選択基準を説明致します.治療方法の選択は非常に重要で,間違った方法を選択すると,十分にクマが治らなかったり,悪化する事さえあります.病状を正確に診断し,最適な治療方法を選択する必要があります.

主な診察ポイント

①皮膚のたるみ(部位,程度)

②下眼瞼の突出(部位,程度)

③頬の下垂,陥凹(部位,程度)

その他の診察ポイント

④下眼瞼内反症・外反症や睫毛内反症がないか

⑤安静期間をどのくらい取れるか

⑥顔全体の加齢の程度

⑦治療費

主な診察ポイント(①皮膚のたるみ②下眼瞼の突出③頬の下垂)を元にフローチャートに沿って,推奨される術式を提案します.

○加えて,④下眼瞼に眼瞼内反症・外反症や睫毛内反症などの疾患があったり,それに準じた瞼の水平方向・垂直方向のゆるみがある場合には,経皮的に治療を同時もしくは,二期的に行う術式を選択いたします.

○また,手術に伴う⑤ダウンタイム(内出血や腫れ等で社会復帰までに要する期間)があるので,安静期間・仕事等を休める期間をどのくらい取れるかも重要です.長く取れない人は短いダウンタイムの術式を提案したり,休める時期に手術を受ける事を,お勧めしております.

○⑥顔全体の加齢の進行度合いも術式の選択に重要です.中顔面(下まぶた〜頬)だけでなく,上顔面(額〜上まぶたのシワ・たるみ,眼瞼下垂)や下顔面(顎・フェイスラインのたるみ)の加齢変化も考えて,頬が過度に膨らみ過ぎないように気をつけたり,他の部位の治療も併用する必要があるかご提案いたします.実際,上眼瞼下垂手術・タルミ取りの手術(病状により保険適用の場合あり)した後に,下まぶたのクマ・タルミの治療を受ける患者様も多いです.

○⑦治療費も患者様にとっては,大切な判断基準だと思います.最終的に良い結果になるために,後から手術を追加するよりは最適な術式を最初から選択するのが,一番治療費を抑えられます.

最後に

下まぶたの手術をお考えの方は、こちらからお問い合わせください。

当サイトは形成外科医 奥村仁のポータルサイトであり、クリニック名ではありません。

Instagramでの告知やLineでのカウンセリングを行っている他医師とは無関係です。

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